野球をやりたいと
感じてもらうこと。
豊橋少年野球連盟
第24回 Tボール雪だるま杯
平成29年12月23日、24日に渡り、『第24回Tボール雪だるま杯』が開催された。
毎年恒例のこの大会に参加したのは、市内の少年野球チームに所属する小学3年生以下で構成された40チーム。
Tボールは、野球普及のために考案され、野球を始めたばかりの低学年の子どもたちを対象とした競技。「バッティングティー」と呼ばれる細長い台にボールを置き、止まっているボールをバットで打つ。ドカベンで知られる漫画家の水島新司氏もこの競技の普及活動に尽力されているそうだ。少年野球連盟では、野球に慣れ親しんでもらうことと、新入団員勧誘のためのツールとして、このTボールの大会に取り組んできた。
Tボールは10人制で、1イニングに10人全員が打席に立つ。以前はアウトの取り方は野球と同じルールであったが、現在はボールの転送は1塁にしかできない。タッチプレーや2塁など他の塁でもフォースアウトはなし、といったルールに変更されている。このルールについてはさまざまな議論がなされてきたそうだ。
少年野球に30年以上携わる多米フリッパーズの森義和代表は、「Tボール本来の目的は何かを考える必要がある」と話す。「以前はトーナメント方式で優勝を争って大会を行っていました。しかしそもそも野球へ導くことが最大の目的であり、勝敗などは二の次。1年生から入団しているユニフォームを着た子どもばかりのチームと、体験できている子どもたちばかりのチームが勝敗を競っても結果は目に見えています。初めてプレーする子どもたちが少しでも楽しく野球をやりたいと感じてもらうことが大事です」
現在は、交流戦形式で3チームないし2チームと試合をし、Tボールを楽しむ大会になっている。
また、一時期団員不足で活動休止となっていた中野ドルフィンズは、「現代表の古久根氏がTボールと団員集めに汗を流し、ついにはチームを復活させた」と森代表が話してくれた。
今回取材したグランドには、牛川パイレーツが2チームで参加していた。それも8人もの初心者を連れて。初めてバットを振ったであろう彼らは、一様に楽しそうだった。勝敗がつく大会では感じることができない、打って、走って、捕って、投げて、の楽しさを感じることができたのではないだろうか。
こういった活動が、野球人口復活の鍵になる。そう感じた一日だった。
なお、豊橋少年野球連盟では、この大会のほか、『こいのぼり杯』、『コスモス杯』と、年に3回Tボールの大会を行っている。