逆境を力に変えた成長し続ける少女
FC豊橋 デューミラン
名倉 愛佳さん(東陵中3年生)
全国から東西に分けて50名ずつしかプレーできないナショナルトレセン、東海地区の実力者が選出される東海トレセンに中学2生から選ばれているFC豊橋デューミラン所属・東陵中3年生の名倉愛佳さん。愛佳さんがサッカーを始めたきっかけは、小学1年生の時。2つ上のお兄さんもサッカーをしており、その影響を受けて、色々教わるなかで楽しさを感じて始めたそうだ。
今のポジションは、ミッドフィルダー。持ち味は、ドリブルやトラップなど細かい技術を駆使し、攻撃、守備の両方をまとめること。そんな能力を持ち合わせ、選抜にも選ばれている愛佳さんだが、ここまで成長できたのは、決して才能だけではない。これまでで一番思い出に残った試合を尋ねてみると、小学6年生の時にチームとして初めて県大会出場を決めたが、初戦で対戦した名古屋のチームの強さに圧倒されたときのことを話してくれた。多くは活躍した試合など「良い思い出」を一番の思い出として話す傾向があると思われるが、この話から愛佳さんの底知れぬ向上心を感じた。
そんな愛佳さんが、自身の大きな成長に繋がったと話すのが2020年。コロナ禍で休校を余儀なくされたが、この状況をチャンスに変えた。チームでの練習ができなくなっても兄と一緒に練習。同じメニューをこなし、ひたすらドリブルの練習を繰り返し続けたことで足元の技術が格段にアップ。今の技術は少なからず、この時の経験が大きな成長に繋がった。まさに逆境を力に変えた素晴らしい行動力だ。
現在の目標は、U-16日本代表に選ばれること。そのための1つの通過点が愛知県代表として6月から開催されるミニ国体(東海4県)で上位2チームに残り、鹿児島国体に出場することと話し、決して楽な道のりではない。愛佳さんは試合に関して「どんな大会でも力を温存して臨んでしまうと悪いプレーが続いたときに立て直しが難しい。序盤から100%の力で挑み、チームの流れを大切にしたい」と意気込んだ。
憧れの選手は、マンチェスター・シティFCでプレーするケヴィン・デ・ブライネ選手。「難しいボールでも前を向きながらトラップが出来たり、ドリブルでの突破力が凄い」と話す。将来の夢は、マンチェスター・シティFCかFCバルセロナに所属し、UEFAチャンピオンズリーグでプレーすること。夢や目標を持つだけでなく、そこに辿り着くために今、自分に何が足りていないのか考え、取り組んでいる愛佳さん。彼女の「向上心」と「行動力」は、これからどんな壁が立ちはだかろうと乗り越えてくれるだろう。挑戦し続ける姿に、これからも期待したい。