東部中学校が
悲願の優勝を飾る。
第71回豊橋市内
中学校総合体育大会ソフトボール
『第71回豊橋市内中学校総合体育大会ソフトボール』の決勝戦は、夏大3連覇を狙う中部中学校と、新人戦県大会で3位に入賞した東部中学校という、市内屈指の“強豪対決”となった。
両チームとも、準決勝で10点差以上を付けた圧勝で決勝へ進出。
実力伯仲の好ゲームが期待された。
試合は東部中の攻撃で「プレイボール」。
開始直後、いきなり試合が動く。ワンアウトから東部中のバッターが放った打球はセンター前へ。するとこの打球はセンターが捕球寸前にイレギュラー。ボールが外野を転々とする。この間に打者走者がホームへ帰り、東部中が1点を先制。
波に乗った東部中は2回にもチャンスを作り出す。
2つの四球と内野安打でノーアウト満塁。打席には8番バッター。彼女が放った打球は、センターの頭上を大きく越えるホームラン。4点を追加。点差が開いたものの、東部中の打者は大振りになることなく、練習通り、バットを短く持ち、コンパクトなスイングでヒットを重ね、序盤で10得点と中部中を圧倒。
何とか反撃したい中部中は、左打者を多く擁した打線で反撃を試みるが、東部中エースの高低差を上手く使ったピッチングの前に打ち上げるバッティングが目立ち、なかなか反撃の機会を掴めない。
中盤以降も東部中はコンパクトなバッティングで得点を積み上げ、試合の主導権を終始握ることに成功。
攻守が噛み合った東部中学校が、18対0で中部中を下し、豊橋王者に輝いた。
試合後、東部中監督の萩野先生に話を聞いた。
「まだまだです。エースが腰に故障を抱えていて、本来の投球には程遠い内容でした。この先、勝ち上がるためには不可欠な選手ですので、回復を期待しています。ウチはグランドが狭いので、基本となる守備練習を徹底的にやってきました。なので、守備から試合を作っていくのが本来のプレー。今日は打ちすぎです(笑)。チームスローガンとしているのは『やりきる』。守備でも打撃でも状況判断を選手たちにさせ、自分に出来ることを判断し、やりきるように指導しています。目標は東海大会出場です。3番バッターと4番バッターの奮起が鍵になると思います」
控え選手の持つプラカードには、表に折り鶴で「必笑」の文字が、金色の裏面には「今までの全てを今まで以上の思いで出し尽くせ。その姿は後輩たちの目に映り伝統や思いは受け継がれていく。愛知を制して東海大会へ!」と書かれていた。
自分たちが先輩の背中を見て何かを感じたように、後輩たちは、3年生みんなの背中を見て何かを感じる。
本来、部の伝統とは、こうして紡がれる“想い”のことを刺すのかもしれない。