家族で目指す
オリンピック。
中村 騎士
豊橋中部中学校1年生
「緊張したけど、今までで一番いい滑りができた」
恥ずかしがりながらも嬉しそうに語るのは、初の全国大会となる『JOCジュニアオリンピック兼2017全日本ジュニアスキー選手権大会アルペン競技種目K1SG』で第3位に輝いた、中村騎士(なかむらないと)くん。
スキーを始めたきっかけは、4つ上の兄の影響。小学1年時から、より整った練習環境を求めて、白馬五竜スキー場いいもりゲレンデ(長野県)で活動するアルペンチーム『Samurai Racers』に所属。
シーズンが始まる11月から5月頃までは、親元を離れ、コーチが経営する長野県のペンションでチームメイトとともに共同生活を送る。
「自分たちはスキーをやってきたわけではないが、息子がやりたくて大好きなスキーをやっている間は、全力で応援したい」と話すのは騎士くんのご両親。
毎週末、練習着や必要な荷物を届けるために、下道を使って豊橋と長野を往復。大会時にはペンションまで迎えに行き、レース会場となる全国各地のゲレンデまで送迎。大会中の板のメンテナンスもご両親が行う。まさに、家族こそ“最高で最強のチーム”である。
オフシーズンは、小学4年時から硬式テニスを始め、中学校ではソフトテニス部に所属。「テニスのフットワークはスキーにも繋がる」と、テニスの練習にも懸命に取り組む。
本格的にスキーを始めた小学1年時から、年間約10レースに出場。
スピード調整やライン取りが自分の持ち味であると、地方大会でも難しいコースになるほど結果を出してきた。地方大会での優勝は20回以上。全国を意識し始めた昨年、初出場の全国大会で結果を残した。
その結果が考慮され、愛知県内では2人だけ、中学生では唯一の強化指定A選手にも選出された。
優しく、人懐っこい騎士くんに将来の目標を尋ねると、「オリンピックに出場し、メダルを取ることです」と答えてくれた。
ひとつひとつの課題をクリアし、オリンピックでメダルを取るまで一直線に向かっていってほしい。