荒波を乗り越え、世界を獲る
BRAIZ SURF
荒河 正宗くん(南部中3年生)
荒河 伊織くん(栄小6年生)
今回は、サーフィンで全国の大会に出場する荒河兄弟の荒河正宗くんと伊織くんを取材した。
サーフィンをやっていた父の影響で小3ごろから始めた正宗くん。伊織くんも兄の正宗くんがやっている様子を見て、サーフィンを始めたそうだ。小さい頃は、顔に水がつけられないほど水嫌いだった正宗くん。最初は、スポンジボードと呼ばれる普段のサーフボードよりも大きくて分厚い安定感があるボードで父と一緒に沖まで出て乗れそうな波を選んで乗せてもらうところから始めた。豊橋の波は特に難しいと言われており、何度も波にはじかれて全然うまくいかなかったが、ある時急に波に立てたときに何とも言えない爽快感を味わい、楽しいという感情が急に湧いてきたという。そこからは波に乗りたくて仕方なくなり、どんどんサーフィンが好きになっていった。週末は、海に入り、実際に波に乗って練習。普段は、サーフボードに似たスケートボードに乗り、体の使い方を意識したり新しい技の感覚をつかむための練習を行ったりしている。兄弟で技について話をすることもあるが、同じ波は二度とこないため、自分が考える感覚や体験談をアドバイスして、共有しているそうだ。
二人にこれまでに印象に残っているライディングを聞くと、伊織くんは、小5の時に千葉県銚子市で行われた大会だという。この大会で注目されていた選手と予選グループが一緒になった。自分より格上だと感じた相手との勝負ではあったが、そのプレッシャーの中、いいライデイングができて、5人グループを1位で通過したときは嬉しかったと話した。正宗くんは、茨城県の河原子海岸で行われたジュニアオープンサーフィン選手権。終盤までいいライデイングができておらず、グループ最下位だったが、残り30秒で波が来て、自分の思い描くライディングができ、大逆転できた時のことは今でも覚えているそうだ。サーフィンは様々な年代の人や地域の人と交流ができるスポーツ。全国のライバルの動画をSNSでチェックして刺激を受けているという。
正宗くんは4月からオーストラリアに留学する予定。オーストラリアは、サーフィンが国技であり、正宗くんの憧れるサーファーもいる。異国の地で地元から求められ、愛されるサーファーを目指す。伊織くんは、中学生になるとキッズクラスからボーイズクラスに上がる。体力づくりとスキルアップをして、厳しい環境でも名をあげられるような選手になりたいと意気込む。それぞれ新たな環境でさらなる高みを目指してこれからも波に乗る。