豊橋柔道発祥の地。
120年の伝統を継ぐ。
豊橋一心館道場
『豊橋一心館道場』は、明治30年頃、初代河合金作先生によって創立された、豊橋で最も古くからある道場。
昭和3年に、2代目となる河合徳次郎先生により、京都の武徳殿を模して建造された道場は、これまで豊橋空襲や伊勢湾台風などの難を乗り越え、築90年近くにもなるが、現在も子供たちが元気に稽古している。
この徳次郎先生は、“柔道の創始者”嘉納治五郎の講道館で柔道を学び、豊橋に戻ってその普及に努めた人物。その伝統は、現在(4代目)の河合敏次先生に受け継がれ、これまでに3千人以上の門下生を持つ。
ちなみに、敏次先生の弟(孝氏)は、桜丘高校で金メダリストの谷本歩美選手(アテネ・北京オリンピック連続優勝)を育てている。
そももそ、吉田藩時代に柔道は“柔術”として始まった。
その後、徳治郎先生時代に“柔道”に名を改めた。
柔道は精神の競技。勝負以前に選手の心の在り方が問われるものであり、その“道(精神)”を重んじたことが理由のようだ。
次世代を担う青少年たちに、この“道”を伝えることこそが、先代より受け継がれている志なのだ。
同道場では、小・中学生から高校生、大人まで、全ての年代が同じ時間に稽古する。
指導にあたる柴田真利先生曰く、「柔道は相手がいて成り立つ競技。試合で勝つことも重要だが、それ以上に大事なことは、相手に対して礼を尽くすこと。これこそが大人になっても役に立つこと。それを身に付けさせたい」
毎年12月には、三遠南信のスポーツ交流の場として『豊橋一心館河合徳治郎杯 招待中学生柔道大会』を開催。地域スポーツ振興にも一役買っている。