8月5日(土)にアークリッシュ豊橋にて東三河ジュニアスポーツ勉強会が開催された。

第5回東三河ジュニアスポーツ勉強会

この勉強会は「健康で強くなるために」と題し、ジュニア期のスポーツに必要な知識や思考、技能や育成などを伝えている。第5回となる今回は、ゲストアスリートとして福岡ソフトバンクホークス前監督の工藤公康さんを迎え、工藤さんを含む専門家5人の講演とパネルディスカッションが行われた。
第1部の「専門家から学ぼう」では、各分野の専門家5人の講演が行われた。FC町田セルビア栄養管理アドバイザーの浜野純さんは、子どもたちが夏場の練習や大会を乗り越えるための食事と水分補給の重要性と摂取するタイミングを解説された。大阪体育大学の土屋裕睦教授は、スポーツ心理学としてプレーヤーの主体性を伸ばすための指導の大切さやメンタルトレーニングについて伝えた。3人目の早稲田大学スポーツ科学学術院の筒井俊春助教は、野球選手の成長を伝えるPSE challengeの取り組みを紹介した。実際に行われているセルフチェックを参加者たちと実践しながら、ケガを防止し、身体とスキルを強化して、パフォーマンス向上を目指すこの取り組みについて話した。同大学院の鳥居俊教授は、野球選手の筋力と骨の関係性など運動器の特徴について説明し、成長における休養の大切さを伝えた。最後に、工藤さんからは、スポーツを通した学びとして「心・技・体」のそれぞれについて、スポーツを楽しむために、大切な考えることや行動することの重要性について、自身の経験を踏まえながら伝えた。集まった参加者たちも自分自身だったらどのように考え、行動すると良いのか考える良いキッカケとなっていたのではないだろうか。
第2部では、パネルディスカッションが行われた。この勉強会の主催であるNPO法人TTランナーズ仲井雅弘理事長と総合青山病院婦人科医宮本由記先生が司会を務め、東京マラソン財団伊藤静夫理事長と第1部で話された専門家5名で意見交換が行われた。講演で話しきれなかったより具体的な内容を話されたり、演者同士の質疑応答や参加した子どもたちからの質問に答えたりしており、終始、参加者たちも頷いたり、メモを取るなどして真剣に話を聞いていた。
勉強会を通じて、「主体性の大切さ」が伝わってきた。子どもたちが「やりたい」と思うスポーツをまずは経験してみること、上達するためには「どうしたら上手くなるか」を自分自身で「考えて行動する」こと。子どもだけでなく、保護者や指導者は、やってほしいことを伝えるのではなく、子どもたちの取り組みたいこと・やりたいことなどの声を聞き「どうサポートするか考える」ことなど、好きなスポーツを楽しむためには、全員が「考えて行動すること」が大切であり、スポーツだけでなく、遊びも含めて様々なことを経験することで、将来の子どもの成長やスポーツの向上に繋がっていくことを学んだ。
豊橋市を中心に東三河地域の小中高校生から保護者、指導者ら約300名が参加したこの勉強会。参加した方々は、とても充実した時間だったのではないだろうか。多くの専門家やトップアスリートの声を聞き、学んだこの機会を通して、ケガをせず心身ともに健康に成長し、よりスポーツを楽しんでいってほしい。今後も開催されるであろうこの勉強会にまだ参加したことがないスポーツする子どもたちや関わる大人たちは、ぜひとも参加してみてはいかがだろうか。

 

 

夢のおてつだい

関連記事