東海記録の更新目指す 勝負強さ抜群の中学生

高豊中陸上部
布施 一葉さん(高豊中3年生)

2023年7月に行われた全日本中学校通信陸上競技愛知県大会の女子200mにて24・79秒で愛知県中学生記録を更新し、優勝。同年8月に愛媛県にて開催された第50回全日本中学校陸上競技選手権大会の女子200mでも見事優勝に輝いた高豊中3年生の布施一葉さんを取材した。
一葉さんは、今でこそ短距離の200mで愛知県中学生記録の保持者だが、中学1年生までは長距離選手だったと話した。陸上を始めたきっかけは、小学1年生の時、兄が通う運動教室に参加したときのこと。酸素マスクをつけてのトレーニングで基準値より遥かに高い肺活量の数値を出したことで長距離をコーチから勧められたことがきっかけだった。小学2年生からマラソン大会に出場し、中学に入学した当初も長距離選手として活躍を目指していたが、ある陸上大会に出場した際、軽い気持ちで100m走にも挑戦したところ12秒台を叩き出した。ここから一葉さんは、短距離への可能性を感じ始め、今に至る。心に残っている大会は、中学2年生の東海大会で3年生を相手に2位になったこと。この結果が来年全国優勝を目指すきっかけとなり、一葉さんの心に火がついた。また、一葉さんは自身のストロングポイントを「勝負強さ」と話した。記録会では成績がでなくても、本番では集中力が研ぎ澄まされ、いわゆるゾーンに入ることができるという。ここ一番で力を発揮できる心身の強さはエリート級だ。また、一葉さんは「後半の伸びは良いが、前半の積極性がない。スタート練習から力強く踏み込み、カーブの最後まで走り切れるように取り組んでいる」と自身の課題についてもしっかり対策されていた。顧問の西崎先生は「彼女は1年生の頃から強い選手。伸びなければ、自分の責任。一葉含め部員全員と向き合い、高め合えるように1本ごとに細部までコミュニケーションを取ってきた。陸上を通して子どもたちには多くの学びと楽しさを伝えたい」と熱い思いを話してくれた。
10月に開催されたJOCジュニアオリンピックU16陸上競技大会女子150mではB決勝進出はしたが、怪我の影響もあり、自身にとっては思うような結果が残せず、悔しい思いをした。万全の状態でレースに望む大切さも実感したなかで、今後の目標は、女子200m東海中学記録24・52秒を更新することと高校1年生からインターハイに出場すること。一葉さんは短距離種目と陸上部について「記録が出なくても練習を重ねれば結果がでることが嬉しい。これからも部員のみんなと努力し勇気づけ合いたい」と答えてくれた。残り半年、持ち前の集中力で東海記録の更新を目指す一葉さんから目が離せない。

ヤマサ

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