豊橋の子供たちと
軟式野球のために。
豊橋野球 心と絆の会
豊橋の中学校軟式野球部に携わる先生たちが自主的に集まり行われた「豊橋野球 心と絆の会」。
選手だけでなく、指導者の技量を高め、豊橋全体のレベルアップを図ることを目的とした勉強会の模様を取材した。
今年1月、運動部活動に関する指針を検討するスポーツ庁の有識者会議が京都で開かれ、中学校では休養日を週2日以上、1日の活動時間を2時間、休日は3時間程度までとするという指針の骨子が大筋で承認された。
これを受け、各都道府県や市区町村教育委員会がそれぞれの方針をこれから決めていくことになる。まだ正式に定まったことではないものの、教職員側も保護者側も、賛否両論あることは間違いないだろう。
学校から部活動がなくなることはないのだが、「果たしてこの短時間で十分な活動ができるのだろうか?」という不安はある。
そんな中、春休みに軟式野球部に携わる有志の先生21名が、『豊橋野球 心と絆の会』というタイトルの下に集まり、若手の先生を中心とした勉強会を開催。
目的は、選手を成長させるための指導力の向上と、豊橋の軟式野球のレベルアップ、教員としての力量を高め合うことなど。
日中にはグラウンドで選手も交えて守備や走塁の技術指導が行われ、夜には実際の試合映像を観ながら、采配研究などが行われた。
この勉強会の企画運営を務めた北部中学校野球部顧問の熊谷雅之先生に話を聞いた。
「部活時間の短縮などが取り沙汰されているが、いかに質の高い指導ができるかが教員としての最重要課題。若手は実績のあるベテラン教員の豊富な経験から学ぶことが必要とされる。同じ野球をする仲間として、市内の教員が互いに切磋琢磨し、教員同士での繋がりを強くして、豊橋全体のレベルを上げていきたい」
さらに、休日に行われているクラブについては、「部活動はクラブの指導者と密に連絡を取り合い、連携を図ることが重要。地域ぐるみで子供たちの成長を支えることを考えなくてはいけない」と話す。
勉強会で使われた資料の中で印象的だったのは、「全ては子供たちの幸せの為に」というフレーズ。
先生たちは、限られた時間の中でも、一生懸命に子供たちとの向き合い方を考えてくれている。
今回はたまたま野球部に携わる先生の話だったが、恐らく、こういう考えを持つ先生はほかの競技にもいるはず。時代とともに指導環境は変化するが、指導する先生側のハートの部分は、今も昔も変わっていないと感じた。