スポーツをサポートする保護者・指導者のみなさんへお届け

ジュニアアスリート向けコンディションコラム
NIKOUスポーツケアルームは、『豊橋から世界へ』をモットーに、スポーツに励む子ども達のサポートを専門に行っております。私は幼少期から高校まで選手として、専門学生からはトレーナーとして、数多くの悩みを抱える選手たちを見てきました。今回は、女性アスリートが直面しやすい、女性特有のスポーツ障害についてお話していきます。
当院をはじめ、現場でも女性アスリートが抱える悩みというのは多種多様です。そのなかでも、私が患者さまを診る中で多い症状は、①生理問題②疲労骨折が挙げられます。
女性特有の『生理』という身体の現象。男性に言いづらい、男性から話題を振りづらいという難点は、いつの時代もつきものです。生理の問題は様々で、過多月経といって、経血量が非常に多いことにより鉄が不足して起こる“鉄欠乏性貧血”。消費するエネルギー量に対して、食べ物から摂取するエネルギー量が少ない状態で起こる“無月経”。下腹部痛の他、腰痛や吐き気などを伴う“月経困難症”。これら全ては、女性にとって集中力低下や不快感の増大によるスポーツ中のケガにつながる危険性が高まります。
次に、球技系や体重階級系、特に審美系や持久系などで多発する『疲労骨折』についてです。特に女性アスリートと疲労骨折は密接に関わっています。先ほど説明した無月経が続くとエストロゲンという思春期の体の成長などを促す女性ホルモンが低下し、骨粗鬆症になる危険性も高まります。骨粗鬆症は、高齢者だけがなるとは限りません。エストロゲン減少による骨量の低下が進行すると疲労骨折を起こす要因となります。
これら女性特有の障害を治療するひとつとして、当院では『生理問題』を寛解させる鍼灸治療を行っています。鍼灸治療では、経路と呼ばれるエネルギーパターンや、特定の部位に鍼や灸で刺激することによって、体のバランスを整え、血流促進やリラックス効果(自律神経系)を促すことが期待出来ます。鎮痛剤や生理用の薬を使用する方法も対策の一つですが、薬物療法に頼り切るのは心配です。効果が薄いと感じている方は、よろしければご相談ください。生理問題を抱えているのはアスリートだけではありません。当院では、女性に多いお悩みや上記内容の治療など承っております。
もう少し詳しく女性に多い障害とその要因について知りたい方はこちらもご覧ください。
●生理痛の個人差はなぜ起こる?●
また、NIKOUスポーツケアルームのYouTube動画もありますので、こちらもよければご覧ください。
- 『お灸』は、温熱効果で自律神経を調節します。
- 『はり治療』は、筋肉の緊張による頭痛の 改善目的で行います。
- 『はこ灸』は、生理痛からの腰痛改善目的で行います。

【今月の執筆担当】兼子 明穂(かねこあきほ)
<資格> 鍼灸師・健康美容鍼灸師・JATI-ATI・NSCA認定パーソナルトレーナー
